症例のご紹介

2013年4月27日 土曜日

ネコの眼球摘出手術。

先日、眼球突出して具合の悪いネコちゃんが来院されたため、眼球摘出手術を行ないました。
このような状況になった原因はハッキリしていませんが、おそらく猫カゼ(伝染性鼻気管炎ウイルス感染症)によって結膜炎が起こり、眼をかき壊した事によって悪化していったものと推測しています。

術前は眼が痛そうに掻いたり、しんどそうにしていましたが、
術後は食欲も出て元気に退院していきました!

 
     手術前の状況           手術後の状況

猫カゼは非常に多い病気ですが、
ここまでひどくなるのは比較的珍しいパターンです。
ただし、結膜炎だと思って油断しているとこんな状況に
なる事もあるため、体調が悪い時には早めに対応するように
ご注意下さい!!!

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2013年4月21日 日曜日

胆嚢粘液嚢腫による黄疸で胆嚢切除をしました。

先日、黄疸と肝障害のある犬の胆嚢切除を行ないました。
胆泥がつまって黄疸がでていまう病気で、最近増えているような気がします。


今回のケースはまだ胆嚢破裂は起こっていなかったのですが、胆嚢と周囲脂肪組織、横隔膜、胃などの周囲組織との癒着も激しく、かなり長期間、胆嚢炎が起こっていた事を示していました。
癒着を何とかはがし、さらには胆嚢を肝臓から剥離して胆管頚で結紮して切除。胆泥が詰まっていた胆管を洗浄して手術終了です。


胆嚢破裂や胆嚢炎が続くと癒着によって手術が大変になるため、早めの手術を考えたいものです。。。





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2013年4月13日 土曜日

ウサギの臼歯過長歯

先日から、下顎臼歯の過長によって舌が傷ついて食欲が落ちているウサギさんが連続してきました。

下の写真のように、伸びてナイフのようにとんがった歯で舌が傷ついています(舌潰瘍)。
こんな状況では、ご飯を食べるのは本当に痛いでしょうね。。。

 
治療は麻酔下で伸びている歯を削り、舌を傷つけないように加工します。


臼歯の過長は牧草をあまり食べていないウサギさんで起こりやすいので、オヤツやペレットを減らしてでもしっかりと牧草を食べて歯をすり減らしてもらいたいと思います!!!

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2013年4月 7日 日曜日

毛玉による腸閉塞(犬なのに...)

先日、ちょっと珍しいタイプの腸閉塞が起こっていたので報告します。

症例はトイプードルで、よく床をなめたり、絨毯をなめたりなどをしていたそうです。今までは毛玉ができても吐き出したり、便に出ていたとの事でした。
前日からの頻回嘔吐を主訴に来院され、超音波検査で十二指腸部分の蛇行がみられました。バリウム造影を行なったところ、数時間経っても胃から十二指腸への流れがみられず、液体さえも流れ出ないような病変の存在が示唆されました。
開腹して手術を行なったところ、
胃〜十二指腸にかけて「大きな毛玉と糸状になった部分でつながった小さな毛玉」がみられ、胃切開にて両方を引き出す事ができました。
他に異常がないか腸管全域を観察しましたが、腸間膜リンパ節の腫大以外は問題ありませんでした。




術後も少し食欲不振や下痢などの消化器症状が続きましたが、内科治療で改善していきました。
今は元気いっぱいに美味しくご飯を食べてくれています!


長毛種の猫やウサギ、フェレットなどでは毛玉による腸閉塞をみた事はありましたが、犬でこのようなことが起こっているのは初めてみました。
以前、散歩中に食べていた草が絡まって腸閉塞になっていたケースの報告もしましたが、色々なもので詰まるんだなぁ〜って感じるケースでした。

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