症例のご紹介
2014年2月28日 金曜日
肛門周囲の腫瘍(しこり)〜未去勢雄に多い肛門周囲腺腫
今回のテーマは肛門周囲の腫瘤です。
肛門周囲の腫瘤(しこり)では、肛門嚢炎のような炎症性疾患も多いのですが、未去勢雄では肛門周囲腺腫がよくみられます。アンドロジェンという男性ホルモンとの関連があるため、未去勢雄で発生しやすい腫瘍です。
肛門嚢腺癌という腫瘍も肛門周囲にしばしば起こり、高カルシウム血症を起こす事で有名です。
今回の肛門周囲腺腫は肛門括約筋を巻き込んで増大し、表面は自壊していました。
肛門括約筋を一部切除し、皮内縫合で手術終了。
筋肉を切開する時は電気メスよりレーザー手術装置が活躍します。
摘出した腫瘤は深部方向に浸潤性増殖していました。
病理組織検査結果は「肛門周囲腺腫」で、なんとかうまく取り切れていました。
肛門周囲腺腫にならないように早期の去勢手術をお勧めしています。
しかしながら、もしも腫瘍が起こってしまった時には早期に発見して、早期に摘出する事でよりよい予後が期待できると思います。
高齢の動物の手術は若い時よりもリスクが高くなりますが、術前検査で大きな問題がなければ手術できる可能性は十分あります。年だからといってあきらめず、何とか健康に長生きできる方法を模索していければと思います。
肛門周囲の腫瘤(しこり)では、肛門嚢炎のような炎症性疾患も多いのですが、未去勢雄では肛門周囲腺腫がよくみられます。アンドロジェンという男性ホルモンとの関連があるため、未去勢雄で発生しやすい腫瘍です。
肛門嚢腺癌という腫瘍も肛門周囲にしばしば起こり、高カルシウム血症を起こす事で有名です。
今回の肛門周囲腺腫は肛門括約筋を巻き込んで増大し、表面は自壊していました。
肛門括約筋を一部切除し、皮内縫合で手術終了。
筋肉を切開する時は電気メスよりレーザー手術装置が活躍します。
摘出した腫瘤は深部方向に浸潤性増殖していました。
病理組織検査結果は「肛門周囲腺腫」で、なんとかうまく取り切れていました。
肛門周囲腺腫にならないように早期の去勢手術をお勧めしています。
しかしながら、もしも腫瘍が起こってしまった時には早期に発見して、早期に摘出する事でよりよい予後が期待できると思います。
高齢の動物の手術は若い時よりもリスクが高くなりますが、術前検査で大きな問題がなければ手術できる可能性は十分あります。年だからといってあきらめず、何とか健康に長生きできる方法を模索していければと思います。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2014年2月19日 水曜日
根尖部膿瘍の犬の歯科処置(抜歯)
先日、右第4前臼歯の根尖部膿瘍で右目の下に穴が開いて排膿している犬(パピヨン)の抜歯処置を行いました。
歯の損傷や歯石付着による歯槽膿漏によって根尖部膿瘍が起こり、そこに溜まった膿が目の下の皮膚をつきやぶって排出されていました。
抜歯をした後に歯根部の洗浄、半導体レーザーによる炎症組織の蒸散を行い、最後に抗生剤を注入して終了。
早く治って美味しくご飯を食べられるようになってくれればと思います!!!
歯の損傷や歯石付着による歯槽膿漏によって根尖部膿瘍が起こり、そこに溜まった膿が目の下の皮膚をつきやぶって排出されていました。
抜歯をした後に歯根部の洗浄、半導体レーザーによる炎症組織の蒸散を行い、最後に抗生剤を注入して終了。
早く治って美味しくご飯を食べられるようになってくれればと思います!!!
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2014年2月 6日 木曜日
ウサギの卵巣子宮全摘出術(不妊手術)
先日、ウサギの卵巣・子宮全摘出手術を行いました。
犬猫に比べると麻酔リスクが高いため、まだまだされない方も多いというのが現状です。
しかしながら、将来的な子宮疾患、乳腺腫瘍などの予防という観点からしても、できれば若いうちに不妊手術を行っておく事が勧められます。
何歳までに手術しなければいけないという決まりはありませんが、若くて健康なうち、あまり太ってしまう前に手術を行う方がより安全だと言われています。
100%安全な麻酔、100%安全な手術というのはありませんが、より安全な手術を目指して日々努力していきたいと思います。
犬猫に比べると麻酔リスクが高いため、まだまだされない方も多いというのが現状です。
しかしながら、将来的な子宮疾患、乳腺腫瘍などの予防という観点からしても、できれば若いうちに不妊手術を行っておく事が勧められます。
何歳までに手術しなければいけないという決まりはありませんが、若くて健康なうち、あまり太ってしまう前に手術を行う方がより安全だと言われています。
100%安全な麻酔、100%安全な手術というのはありませんが、より安全な手術を目指して日々努力していきたいと思います。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2014年2月 1日 土曜日
猫の胆石による胆管閉塞〜黄疸
先日、胆石による胆管閉塞で黄疸が起こり、食欲不振や嘔吐などで衰弱した猫ちゃんが来院しました。
レントゲン検査、超音波(エコー)検査、血液検査などを駆使して診断しました。内科治療での反応は皆無だったため、外科的に開腹して十二指腸経由で胆石の摘出を行いました。
十二指腸開口部付近に胆石が詰まり、総胆管〜胆嚢にかけて重度な拡張が見られました。
十二指腸を切開して胆石にアプローチし、鉗子にて摘出しました。
その後、溜まっていた胆汁を絞り出し、胆管疎通を確認。
詰まっていたのはひとつの大きな胆石でしたが、摘出する時に鉗子でつまむとバラバラと崩れる程度の硬さでした。
猫の胆石による胆管閉塞は比較的珍しい疾患ですが、
外科的に摘出すれば治癒する事もあるため、しっかりした診断・治療が必要です。
この子は手術後の経過は良好で、元気・食欲は回復し、嘔吐もすっかりなくなりました。
しかしながら、肝障害は残っているために内科治療は継続して必要になっています。
レントゲン検査、超音波(エコー)検査、血液検査などを駆使して診断しました。内科治療での反応は皆無だったため、外科的に開腹して十二指腸経由で胆石の摘出を行いました。
十二指腸開口部付近に胆石が詰まり、総胆管〜胆嚢にかけて重度な拡張が見られました。
十二指腸を切開して胆石にアプローチし、鉗子にて摘出しました。
その後、溜まっていた胆汁を絞り出し、胆管疎通を確認。
詰まっていたのはひとつの大きな胆石でしたが、摘出する時に鉗子でつまむとバラバラと崩れる程度の硬さでした。
猫の胆石による胆管閉塞は比較的珍しい疾患ですが、
外科的に摘出すれば治癒する事もあるため、しっかりした診断・治療が必要です。
この子は手術後の経過は良好で、元気・食欲は回復し、嘔吐もすっかりなくなりました。
しかしながら、肝障害は残っているために内科治療は継続して必要になっています。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL