症例のご紹介
2013年9月14日 土曜日
歯科症例(上顎臼歯の根尖部膿瘍による抜歯)〜目の下が腫れてきた!
最近ちょっと続いていたので、歯科症例をピックアップしてみました。
単に歯石がついてスケーリングをするだけならそれ程大変ではないのですが、この症例のように歯石は軽度なものの根尖部膿瘍になっていて臼歯の抜歯をしないといけないケースではちょっと大変になってきます。
よく根尖部膿瘍の原因になっている上顎第4全臼歯は歯根が3本もあり、歯を割らないと抜歯するのが難しいのです。そこで登場するのが3つ目の写真の「ピエゾ・サージェリー」という超音波の振動で歯を砕いたり、歯根膜の剥離をしてくれる機械です。かなりの優れもので、この機械を導入してから臼歯の抜歯のスピードが格段に上がりました。
臼歯を分割して抜歯した後、尖った歯槽骨を削り、残った歯肉でフラップを形成して穴を閉じました。
目の下には歯根部につながる膿の出る穴があいています。
歯石は軽度についていますが、それ程ひどい状況ではありませんでした。
残った歯を大事にするためにも、今後はしっかりと歯みがきをしてもらいたいと思います。。。
単に歯石がついてスケーリングをするだけならそれ程大変ではないのですが、この症例のように歯石は軽度なものの根尖部膿瘍になっていて臼歯の抜歯をしないといけないケースではちょっと大変になってきます。
よく根尖部膿瘍の原因になっている上顎第4全臼歯は歯根が3本もあり、歯を割らないと抜歯するのが難しいのです。そこで登場するのが3つ目の写真の「ピエゾ・サージェリー」という超音波の振動で歯を砕いたり、歯根膜の剥離をしてくれる機械です。かなりの優れもので、この機械を導入してから臼歯の抜歯のスピードが格段に上がりました。
臼歯を分割して抜歯した後、尖った歯槽骨を削り、残った歯肉でフラップを形成して穴を閉じました。
目の下には歯根部につながる膿の出る穴があいています。
歯石は軽度についていますが、それ程ひどい状況ではありませんでした。
残った歯を大事にするためにも、今後はしっかりと歯みがきをしてもらいたいと思います。。。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2013年9月 7日 土曜日
「腸閉塞」注意報!
先日から、腸閉塞の症例が続いています。
腸閉塞とは何らかのものによって腸が詰まった状況で、原因には異物や腫瘍、捻転、重積などが考えられます。今回はいずれも食べてしまった異物が腸管内で詰まってしまっており、内視鏡では太刀打ちできる状況ではありませんでした。
急性嘔吐を主訴に来院されるケースが多いのですが、それなりの日数がたってから来られた場合には
治療に苦労する事があります。。。。
異物による腸閉塞の予防には、なにより異物を食べさせない事が第一です!
今回のケースは、タオルを引きちぎって食べていたり、オモチャ?らしきものを食べていたりしました。
「タオルやオモチャは絶対に入れてはいけないもの」とは思いませんが、それを食べてしまうような子達なのであれば入れない方が良いでしょう。
今週はこれ以外にも交通事故や腎不全、腫瘍の症例などでバタバタしてしまいましたが、ようやく週末を迎えました。週末も入院の子がいるので気を抜けませんが、少しゆっくりと休みたいと思います。
腸閉塞とは何らかのものによって腸が詰まった状況で、原因には異物や腫瘍、捻転、重積などが考えられます。今回はいずれも食べてしまった異物が腸管内で詰まってしまっており、内視鏡では太刀打ちできる状況ではありませんでした。
急性嘔吐を主訴に来院されるケースが多いのですが、それなりの日数がたってから来られた場合には
治療に苦労する事があります。。。。
異物による腸閉塞の予防には、なにより異物を食べさせない事が第一です!
今回のケースは、タオルを引きちぎって食べていたり、オモチャ?らしきものを食べていたりしました。
「タオルやオモチャは絶対に入れてはいけないもの」とは思いませんが、それを食べてしまうような子達なのであれば入れない方が良いでしょう。
今週はこれ以外にも交通事故や腎不全、腫瘍の症例などでバタバタしてしまいましたが、ようやく週末を迎えました。週末も入院の子がいるので気を抜けませんが、少しゆっくりと休みたいと思います。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2013年8月22日 木曜日
耳道内腫瘤(炎症性ポリープ)
先日、手術を行った耳道内腫瘤の治療ケースを報告します。
左右の耳道内側に耳栓をするような形で腫瘤ができていました。
かなり奥の方から発生していたため、局所麻酔と全身麻酔を併用して、引っ張り出しながら半導体レーザーで摘出しました。出血もほとんどなく、比較的容易に摘出できました。
病理検査結果は 炎症性ポリープ で、慢性外耳炎の結果、耳道粘膜が肥厚してできてしまったと考えられます。同じような病態で耳道腺癌という悪性腫瘍が発生している事もあるため、今回は悪いものでなくてよかったと思います。
慢性外耳炎をしっかり治療しておかないとこのような病態が起こる事もあるので、外耳炎でお耳を痒がっているワンちゃんたちではくれぐれも注意してもらいたいと思います!!!
左右の耳道内側に耳栓をするような形で腫瘤ができていました。
かなり奥の方から発生していたため、局所麻酔と全身麻酔を併用して、引っ張り出しながら半導体レーザーで摘出しました。出血もほとんどなく、比較的容易に摘出できました。
病理検査結果は 炎症性ポリープ で、慢性外耳炎の結果、耳道粘膜が肥厚してできてしまったと考えられます。同じような病態で耳道腺癌という悪性腫瘍が発生している事もあるため、今回は悪いものでなくてよかったと思います。
慢性外耳炎をしっかり治療しておかないとこのような病態が起こる事もあるので、外耳炎でお耳を痒がっているワンちゃんたちではくれぐれも注意してもらいたいと思います!!!
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2013年8月10日 土曜日
帝王切開にて無事出産!
先日、新たな命の誕生の手助けをする機会がありました!
早朝に破水し、その後陣痛が周期的にでているけどうまく出産できない子が午前中に来院。
これまでに妊娠診断や経過観察などで来院されていた時に出産に際しての注意事項や観察点などをお話ししていたので、早めに連絡をいただいて対応をする事ができました。
来院時のエコー検査で胎仔心拍が落ちてきていた事、陣痛が続いているにもかかわらず出産する気配がない事、小型犬の初産、陣痛促進剤のリスクなども十分お話しした上で帝王切開に踏み切りました。
手術は比較的順調に進み、3匹の仔犬さんはすぐに蘇生して元気に産声をあげてくれました!!!母犬の麻酔覚醒も順調で、すぐに授乳を始めました。
幸せそうな寝顔の仔犬たちを見ると心が癒されます。
帝王切開は緊急で入る事がほとんどなのでバタバタしたり大変な事も多い手術ですが、生命の誕生に関われる貴重な機会なのでスタッフ一同、いつも以上に気合いが入ります!
今回も術者、助手、麻酔担当(兼、蘇生係)、外回り担当(兼、蘇生係)のチームワークでスムーズな対応ができました。
ちなみに、仔犬を見ても何の犬種かわかりにくいですよね(笑)
今回はポメラニアンでした!この色の違いが今後どうなっていくか楽しみです。
早朝に破水し、その後陣痛が周期的にでているけどうまく出産できない子が午前中に来院。
これまでに妊娠診断や経過観察などで来院されていた時に出産に際しての注意事項や観察点などをお話ししていたので、早めに連絡をいただいて対応をする事ができました。
来院時のエコー検査で胎仔心拍が落ちてきていた事、陣痛が続いているにもかかわらず出産する気配がない事、小型犬の初産、陣痛促進剤のリスクなども十分お話しした上で帝王切開に踏み切りました。
手術は比較的順調に進み、3匹の仔犬さんはすぐに蘇生して元気に産声をあげてくれました!!!母犬の麻酔覚醒も順調で、すぐに授乳を始めました。
幸せそうな寝顔の仔犬たちを見ると心が癒されます。
帝王切開は緊急で入る事がほとんどなのでバタバタしたり大変な事も多い手術ですが、生命の誕生に関われる貴重な機会なのでスタッフ一同、いつも以上に気合いが入ります!
今回も術者、助手、麻酔担当(兼、蘇生係)、外回り担当(兼、蘇生係)のチームワークでスムーズな対応ができました。
ちなみに、仔犬を見ても何の犬種かわかりにくいですよね(笑)
今回はポメラニアンでした!この色の違いが今後どうなっていくか楽しみです。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2013年7月29日 月曜日
胆石による胆管閉塞性黄疸で胆嚢切除。
土曜日の夜に、胆石による胆管閉塞性黄疸で胆嚢切除を行いました。
症例は13歳のトイ・プードル、避妊雌で、実は私の家族(愛犬)メリーちゃんでした。。。
6年前に胆泥が溜まっている事に気付き、内科治療で臨床症状もなくずっとコントロールできていたのですが、数日前から食欲が低下。嘔吐は一度だけでしたが、少し尿が濃くなったので血液検査とエコー検査で胆嚢の腫大と肝酵素の著増、黄疸が確認されました。入院下での強化した内科治療を1日行いましたが、黄疸や肝酵素上昇が進行したため、すぐに手術を行いました。
これまでに経験していた胆嚢破裂やひどい胆嚢炎の症例に比べると比較的簡単なレベルでしたが、それでも胆嚢と横隔膜が癒着していたりして少し手間取ってしまいました。
腫大した胆嚢が肝臓を圧迫しているようにも見えます。
肝臓から胆嚢をはがし、これから胆管につまった胆石を
洗い流すところです。
摘出した胆嚢。胆汁は事前に抜いています。
多数の胆石と大量の胆汁が溜まっていました。
最近、胆嚢粘液嚢腫や胆石、胆泥症などのワンちゃんが昔よりも増えてきて、内科治療でコントロールしているケースも多いのですが、やはりいずれこのような事になるのなら、早めに胆嚢切除を検討するべきなのか!?...って思いました。
症状のないケースで胆嚢切除が必要かどうかは迷いますが、様々な状況も考えながら、今後も必要に応じて手術が行えるように頑張りたいと思います。
症例は13歳のトイ・プードル、避妊雌で、実は私の家族(愛犬)メリーちゃんでした。。。
6年前に胆泥が溜まっている事に気付き、内科治療で臨床症状もなくずっとコントロールできていたのですが、数日前から食欲が低下。嘔吐は一度だけでしたが、少し尿が濃くなったので血液検査とエコー検査で胆嚢の腫大と肝酵素の著増、黄疸が確認されました。入院下での強化した内科治療を1日行いましたが、黄疸や肝酵素上昇が進行したため、すぐに手術を行いました。
これまでに経験していた胆嚢破裂やひどい胆嚢炎の症例に比べると比較的簡単なレベルでしたが、それでも胆嚢と横隔膜が癒着していたりして少し手間取ってしまいました。
腫大した胆嚢が肝臓を圧迫しているようにも見えます。
肝臓から胆嚢をはがし、これから胆管につまった胆石を
洗い流すところです。
摘出した胆嚢。胆汁は事前に抜いています。
多数の胆石と大量の胆汁が溜まっていました。
最近、胆嚢粘液嚢腫や胆石、胆泥症などのワンちゃんが昔よりも増えてきて、内科治療でコントロールしているケースも多いのですが、やはりいずれこのような事になるのなら、早めに胆嚢切除を検討するべきなのか!?...って思いました。
症状のないケースで胆嚢切除が必要かどうかは迷いますが、様々な状況も考えながら、今後も必要に応じて手術が行えるように頑張りたいと思います。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL