症例のご紹介

2014年7月21日 月曜日

内視鏡症例〜胃内異物:石、画鋲

先日、石ころを食べた犬が来院し、催吐処置を行なっても吐き出せなかったので
緊急で内視鏡で摘出致しました。





無事に取り出せたので開腹せずに済みましたが、
一歩間違えれば開腹手術になるところでした。



もう少し前に来られた「画鋲を食べた犬」は催吐処置で吐き出してくれたため、
内視鏡も必要ない状況でした!



まさかと思うものまで食べてしまう事があるので、
くれぐれもお気をつけ下さいね!!!


投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2014年7月 2日 水曜日

猫の腸閉塞〜不完全閉塞?〜

先日、猫の腸閉塞の手術を行ないました。
経過は非常に長く、最初に嘔吐がみられた時(他院で急性胃腸炎として対応)からは1ヵ月以上経っていました。
食欲不振や嘔吐はあり、徐々に体重は減ってきて削痩していましたが、病院には行ってないとの事でした。
これだけの期間生きていられたのは液体状のものは少しずつ小腸を流れていたからだと考えられます。
術後は豹変したかのような食欲が戻り、数日の入院後、元気に退院していきました。

手術自体は珍しいものではありませんでしたが、ここまで経過の長い腸閉塞は珍しいと思います。
猫ちゃんが元気になってくれて本当に良かったです!!!

ピンセットの先に異物が詰まっています。
腸管の色が詰まっている部分の前後でかなり違っています。


詰まっていたのはゴムっぽい素材の何かでした...。


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2014年6月 8日 日曜日

最近の症例から〜犬と猫の子宮蓄膿症〜

夏のような暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
これからますます暑くなっていくのかと思うと、少し気が滅入ったりもします。。。


最近、子宮蓄膿症のワンちゃんやネコちゃんが続けざまに来院され、手術する機会があったので紹介してみたいと思います。
いずれも中高齢で、猫だけは何度か出産経験のある子でした。
病状は様々で、ほとんど臨床症状もなく元気な子から、数日ご飯を食べずにグッタリしている子、多飲多尿という症状が少し前からみられたという事が多かったです。


たくさんお水を飲むという症状は見逃される事が多いのですが、子宮蓄膿症や腎不全、糖尿病や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)のようなホルモン疾患、尿崩症などの病気でよくみられる症状なので、おかしいと思ったら早めに動物病院を受診される事をお勧め致します!

猫の卵巣・子宮


大型犬の卵巣・子宮


小型犬の卵巣・子宮

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2014年5月17日 土曜日

フェレットの皮膚腫瘤〜皮脂腺腫瘍〜

先日、目の上に腫瘤ができたフェレットが来院されました。

表面が自壊した腫瘤からでた出血や漿液で、目の周りは写真のように凄まじい状況になっていました。。。
術前検査を行なったところ、麻酔には十分耐えられそうな状態だったため、手術を実施致しました。







術後経過は良好で、傷跡もほとんど気にならないくらいきれいに摘出できました。
病理組織検査結果は「
脂腺上皮腫」で、局所浸潤や脈管内浸潤も認められなかったので良好な予後が期待できそうです。脂腺上皮腫は犬猫では低悪性度腫瘍とされているようですが、フェレットでは良性腫瘍とされているそうです。


高齢のフェレットの麻酔は心配な事も多いのですが、今回のように腫瘤が自壊して痛々しい状況になっている場合は手術という選択肢も十分考慮すべきと考えました。

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2014年4月23日 水曜日

犬の膣平滑筋腫の1例(外陰部の巨大腫瘤)

今回は、先日手術した柴犬(未避妊雌)の外陰部(会陰部)の巨大腫瘤のご紹介をさせていただきます。
写真のように、肛門と外陰部にかけてがかなり腫大しており、排便障害が少し出たり、外陰部からオリモノが少し出ている状況でした。

術前検査を行なったところ、外尿道口(尿道開口部)よりも奥に巨大な腫瘤が見られ、細胞診検査では血液や炎症細胞のみで明らかな腫瘍細胞は採取されませんでした。腫瘤発生からの経過も長かった事などもあり、平滑筋腫や線維腫などの良性腫瘍を疑って摘出手術を検討しました。
会陰部切開にて腫瘤にアプローチを行ない、尿道を傷つけないようにカテーテルを設置した後に腫瘤の切除を行ないました。腫瘤は膣粘膜直下に存在し、周囲からたくさんの栄養血管が入り込んでいたので大変なところもありましたが、何とか無事に摘出する事ができました。



病理診断名は膣平滑筋腫で、同時に摘出した卵巣・子宮には腫瘍性病変は見つからず、卵巣嚢腫などの異常が少し見られました。
術後2週間の抜糸時には腫れもすっかり落ち着き、経過は良好な感じでした。


巨大な腫瘍を見るとあきらめたくなる気持ちもありますが、積極的にアプローチする事で治療が可能な病態も存在します。
様々な状況をしっかりと考えた上で、可能性にかけた積極的な治療を行なっていく事の大事さを感じる症例のご報告でした。

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