症例のご紹介
2014年4月14日 月曜日
膀胱結石の摘出手術。
先日、膀胱結石の摘出手術を行ないました。
大きな結石が1つだけだったので、比較的簡単な手術でした。
血尿や頻尿などの症状がそれ程ひどくなかったので内科治療(食事療法や投薬など)での反応を見ていましたが改善がみられず、最終的に開腹して膀胱切開を行ないました。
術後経過は順調で、数日で退院。分析結果はほとんどがストルバイトでした。
ストルバイトは食事療法で溶ける事も多い結石ですが、今回のケースはあまり溶けませんでした。結石が詰まって尿道閉塞を起こすリスクなども考えると、外科的に摘出する必要があったのかと思います。
食事内容や体質などによってこのような結石が発生するので、再発がないように注意深く経過観察をしていきたいと思います。
大きな結石が1つだけだったので、比較的簡単な手術でした。
血尿や頻尿などの症状がそれ程ひどくなかったので内科治療(食事療法や投薬など)での反応を見ていましたが改善がみられず、最終的に開腹して膀胱切開を行ないました。
術後経過は順調で、数日で退院。分析結果はほとんどがストルバイトでした。
ストルバイトは食事療法で溶ける事も多い結石ですが、今回のケースはあまり溶けませんでした。結石が詰まって尿道閉塞を起こすリスクなども考えると、外科的に摘出する必要があったのかと思います。
食事内容や体質などによってこのような結石が発生するので、再発がないように注意深く経過観察をしていきたいと思います。
投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL
2014年4月 5日 土曜日
脾臓腫瘤で手術した2例の小型犬の報告
最近の手術症例より、2例の脾臓腫瘤のご紹介をします。
いずれも小型犬の脾臓にできた腫瘍で、片方は腫瘍が破裂して腹腔内出血を起こし、失血性ショック(貧血)でグッタリして来院されました。
いずれも外科的に摘出して行なった病理検査の結果、片方は良性で、片方は悪性でした。
肉眼的には良性か悪性かは区別できませんし、レントゲンやエコー検査でも鑑別できません。
摘出した後に病理検査をして初めて診断がつきます。
良性だったら取らなくてもよいという考え方もありますが、良性腫瘍でも増大してしまうと破裂して腹腔内出血を起こす事があるため、定期的にエコー検査で増大しないかを調べていく必要があります。
悪性腫瘍が疑われる場合は、なるべく早期に摘出する事をお勧めしています。増大経過を見ている間に破裂したり、全身転移したら最悪なので、早期診断・早期治療が原則になると思っています。
血管肉腫や肥満細胞腫、リンパ腫、組織球肉腫のような悪性腫瘍だった場合、術後の抗がん剤治療を検討する必要もあります。
いずれも小型犬の脾臓にできた腫瘍で、片方は腫瘍が破裂して腹腔内出血を起こし、失血性ショック(貧血)でグッタリして来院されました。
いずれも外科的に摘出して行なった病理検査の結果、片方は良性で、片方は悪性でした。
肉眼的には良性か悪性かは区別できませんし、レントゲンやエコー検査でも鑑別できません。
摘出した後に病理検査をして初めて診断がつきます。
良性だったら取らなくてもよいという考え方もありますが、良性腫瘍でも増大してしまうと破裂して腹腔内出血を起こす事があるため、定期的にエコー検査で増大しないかを調べていく必要があります。
悪性腫瘍が疑われる場合は、なるべく早期に摘出する事をお勧めしています。増大経過を見ている間に破裂したり、全身転移したら最悪なので、早期診断・早期治療が原則になると思っています。
血管肉腫や肥満細胞腫、リンパ腫、組織球肉腫のような悪性腫瘍だった場合、術後の抗がん剤治療を検討する必要もあります。
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2014年3月29日 土曜日
小型犬の腸閉塞(ウメボシの種?)2例
最近経験した、腸閉塞の症例のご紹介をします。
いずれも頻回の嘔吐を主訴に来院されました。
数日前までは元気・食欲はしっかりとあったのに急に具合が悪くなり、様子を見ていても治らないから来院したケースです。
超音波検査(エコー検査)にて拡張した腸管が異常な蠕動運動をしており、その先に高エコーな異物の存在を確認できました。
いずれの症例も通過してきた腸管はかなり痛んでいますが、壊死まではしていなかったので腸切開のみで対応できました。
術後経過はいずれも良好で、術後翌日より食欲が出てきたため24時間後から流動食を開始。数日後には退院という経過になりました。
異物誤食のリスクは常にあるため、飼育環境の整備が大事になります。
我々獣医師は詰まってしまった時には早期診断・早期治療ができるように対応しますが、一番大事なのはこのような事故が起こらないような予防だと思っています。
動物と一緒に暮らしている皆様にはくれぐれもお気をつけいただきたいと思います!!!
いずれも頻回の嘔吐を主訴に来院されました。
数日前までは元気・食欲はしっかりとあったのに急に具合が悪くなり、様子を見ていても治らないから来院したケースです。
超音波検査(エコー検査)にて拡張した腸管が異常な蠕動運動をしており、その先に高エコーな異物の存在を確認できました。
いずれの症例も通過してきた腸管はかなり痛んでいますが、壊死まではしていなかったので腸切開のみで対応できました。
術後経過はいずれも良好で、術後翌日より食欲が出てきたため24時間後から流動食を開始。数日後には退院という経過になりました。
異物誤食のリスクは常にあるため、飼育環境の整備が大事になります。
我々獣医師は詰まってしまった時には早期診断・早期治療ができるように対応しますが、一番大事なのはこのような事故が起こらないような予防だと思っています。
動物と一緒に暮らしている皆様にはくれぐれもお気をつけいただきたいと思います!!!
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2014年3月20日 木曜日
耳血腫の犬の手術をしました!
先日、久しぶりに耳血腫の犬の手術を行ないました。
耳血腫は耳介軟骨の損傷によって耳に血液がたまる病態で、犬において時々見られます。猫やウサギやフェレットでも起こる事はありますが、あまり多くない気がします。
内服薬を中心とした治療や定期的に針を刺してたまった液を吸い取りつつ耳を圧迫するなど、様々な内科的治療で治癒する事も多いため、手術までするケースはそれ程多くありません。
今回のケースは当初耳介の一部において耳血腫が起こっていたのですが、内科治療をしていても全体に拡がり、ワンちゃん自体がかなり耳を気にして振っているような状況だったので手術を決断しました。
術式はいくつかの方法が報告されていますが、今回は耳介内側にいくつかの穴をあけて縫合する方法をとりました。
なるべく耳介の変形が少ない状態で治ってくれればと思います。
術前の腫れた耳
手術後の腫れのなくなった耳
術後の耳介の内側の様子
耳血腫は耳介軟骨の損傷によって耳に血液がたまる病態で、犬において時々見られます。猫やウサギやフェレットでも起こる事はありますが、あまり多くない気がします。
内服薬を中心とした治療や定期的に針を刺してたまった液を吸い取りつつ耳を圧迫するなど、様々な内科的治療で治癒する事も多いため、手術までするケースはそれ程多くありません。
今回のケースは当初耳介の一部において耳血腫が起こっていたのですが、内科治療をしていても全体に拡がり、ワンちゃん自体がかなり耳を気にして振っているような状況だったので手術を決断しました。
術式はいくつかの方法が報告されていますが、今回は耳介内側にいくつかの穴をあけて縫合する方法をとりました。
なるべく耳介の変形が少ない状態で治ってくれればと思います。
術前の腫れた耳
手術後の腫れのなくなった耳
術後の耳介の内側の様子
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2014年2月28日 金曜日
肛門周囲の腫瘍(しこり)〜未去勢雄に多い肛門周囲腺腫
今回のテーマは肛門周囲の腫瘤です。
肛門周囲の腫瘤(しこり)では、肛門嚢炎のような炎症性疾患も多いのですが、未去勢雄では肛門周囲腺腫がよくみられます。アンドロジェンという男性ホルモンとの関連があるため、未去勢雄で発生しやすい腫瘍です。
肛門嚢腺癌という腫瘍も肛門周囲にしばしば起こり、高カルシウム血症を起こす事で有名です。
今回の肛門周囲腺腫は肛門括約筋を巻き込んで増大し、表面は自壊していました。
肛門括約筋を一部切除し、皮内縫合で手術終了。
筋肉を切開する時は電気メスよりレーザー手術装置が活躍します。
摘出した腫瘤は深部方向に浸潤性増殖していました。
病理組織検査結果は「肛門周囲腺腫」で、なんとかうまく取り切れていました。
肛門周囲腺腫にならないように早期の去勢手術をお勧めしています。
しかしながら、もしも腫瘍が起こってしまった時には早期に発見して、早期に摘出する事でよりよい予後が期待できると思います。
高齢の動物の手術は若い時よりもリスクが高くなりますが、術前検査で大きな問題がなければ手術できる可能性は十分あります。年だからといってあきらめず、何とか健康に長生きできる方法を模索していければと思います。
肛門周囲の腫瘤(しこり)では、肛門嚢炎のような炎症性疾患も多いのですが、未去勢雄では肛門周囲腺腫がよくみられます。アンドロジェンという男性ホルモンとの関連があるため、未去勢雄で発生しやすい腫瘍です。
肛門嚢腺癌という腫瘍も肛門周囲にしばしば起こり、高カルシウム血症を起こす事で有名です。
今回の肛門周囲腺腫は肛門括約筋を巻き込んで増大し、表面は自壊していました。
肛門括約筋を一部切除し、皮内縫合で手術終了。
筋肉を切開する時は電気メスよりレーザー手術装置が活躍します。
摘出した腫瘤は深部方向に浸潤性増殖していました。
病理組織検査結果は「肛門周囲腺腫」で、なんとかうまく取り切れていました。
肛門周囲腺腫にならないように早期の去勢手術をお勧めしています。
しかしながら、もしも腫瘍が起こってしまった時には早期に発見して、早期に摘出する事でよりよい予後が期待できると思います。
高齢の動物の手術は若い時よりもリスクが高くなりますが、術前検査で大きな問題がなければ手術できる可能性は十分あります。年だからといってあきらめず、何とか健康に長生きできる方法を模索していければと思います。
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