症例のご紹介

2013年12月21日 土曜日

最近、消化器型リンパ腫が多い気がします。。。

最近、リンパ腫にかかった犬猫が多い気がします。なかでも、消化器型リンパ腫のケースが多く、腸管や腸間膜リンパ節の腫大がみられます。
食欲不振、嘔吐や下痢などを主訴に来院される事が多く、血液検査、レントゲン検査、超音波検査や細胞診検査を行ったり、内視鏡や開腹による病理組織生検などを行って確定診断をしていきます。
下記の症例は、小腸にできた腫瘤を外科的に摘出し、正常な部分同士を端々吻合しました。病理組織検査結果はリンパ腫した。





リンパ腫は根治(完全に治す)のが難しい病気ですが、抗がん剤をうまく使っていく事によって症状を改善したり、より良い生活を送らせる事ができます。どのような抗がん剤をどれくらい使っていくかは症例によって異なってきますが、うまく治療をして長生きして欲しいものです!!!

抗がん剤治療の成功には、本人(動物自身)の状況はもちろん、ご家族のサポート、獣医師や動物看護師との連携など、様々な要素が必要になってきます。「がん」という巨大な敵と戦うにあたり、みんなで力を合わせて戦っていきたいと思います。

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2013年12月11日 水曜日

内視鏡での異物除去(竹串)

先日、お団子を串ごと食べたあと、2日間嘔吐の続くダックスが来院されました。

エコー検査で胃内に棒状の高エコー物を発見。
内視鏡での摘出を行いました。


超音波検査で棒状の高エコー物がみられました。

  


うまく内視鏡で取れなかったら開腹手術になるところでしたし、
もう少し様子を見ていたら胃に穴が開いて腹膜炎を起こしていた可能性もあったので、本当に危ないところでした。。。

当然のとこですが、開腹手術になると手術代や入院期間も長くなるため、より多くの費用がかかりますし、痛み止めを使っても多少の術創の痛みもあります。
内視鏡はうまく使えば本当に有用な機械だと思います。

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2013年12月 8日 日曜日

パグの帝王切開

先日、パグの帝王切開を行いました。
前回の出産が難産だったのでエコー検査で何度か状況を確認した上で、予定的帝王切開となりましたが、5匹全部が無事に出産でき、今のところ順調に成長しているようです!

仔犬の時はどんな犬種でも間違いなく可愛いのですが、パグやブルドック系のような短頭種にはまたひと味違った魅力があります!黒とフォーンの2色が生まれたので、どっちの色もとてもとても可愛くて...。



母犬も母性たっぷりで、麻酔から醒めた直後から仔犬達の事を気にしていました。
手術の痛みもあるはずなのに、「母は偉大」です!!!


ベビー達はいずれ新しい家族を募集するようなので、ご興味のある方は下記まで
お問い合わせ下さい。

本当は手放したくないので、京都市在住で、たまにお店の方まで遊びに来れる方、きちんとお会いして話をしてからの「養子縁組」となるようです(笑)

 「癒し処 Living Room」 http://www.kyotopug.com

帝王切開は仔犬の蘇生がしっかりできるまで緊張感のMAXの手術ですが、今回も無事に終わってホッとしています。サポートしてくれたスタッフに感謝感謝です。
このまま順調に成長して、また元気に育った姿を見てみたいと思います!

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2013年12月 2日 月曜日

両側腹腔内潜在精巣(陰睾)の手術

先日、両側腹腔内潜在精巣(陰睾)の手術がありました。
潜在精巣だと精巣腫瘍が多いというのは以前にもご報告した通りですが、今回は両側が腹腔内だったのでもしも年をとって腫瘍化していてもきっとなかなかわかりにくかったのではないかと思います。
この子はまだ若いうちに予防的に去勢手術をしているので精巣腫瘍にはなっていませんし、手術自体も大きな問題もなく無事に終了しております。

日本人の感覚として、「健康な体にメスを入れる」という事に抵抗を感じておられる方は多いのかもしれませんが、病気の予防として早期の去勢手術は是非ご検討いただきたいところです。

手術前:陰嚢はまったくみられませんが、去勢手術はしていません。

腹腔内から引っ張り出してきた右精巣、この後、左精巣も摘出。

手術のキズはこの程度で、それ程痛々しいものではありません。

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2013年11月22日 金曜日

臍ヘルニア(でべそ)の嵌頓ヘルニア!

先日、昔から出ていたという臍ヘルニア(でべそ)が急に赤くなり、触ると嫌がるという犬が来院しました。写真のようにヘルニア部の内出血はひどく、切開してみたところかなりひどい炎症が起こっていました。腹腔内の脂肪は問題なかったので、脱出した脂肪の部分のみが嵌頓ヘルニアによって締めつけられ、血行不良が起こってしまったのだと思います。
壊死した部分を摘出し、腹壁をキッチリと縫合して手術は終了です。

術後経過は順調で、再発の心配もなさそうです。
たかが「でべそ」って思われがちですが、たまにこんなことも起こるので注意が必要です。



投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL